政府・与党は、各政党・会派間の政策の主張があまりにもバラバラで、重要法案の審議や政策決定に支障が出ている現状を打破するため、苦肉の策として「閣議のフルーツバスケット方式」を導入する方針を固めた。
この新方式は、閣議開始時に全閣僚が席を立ち、議長(首相)の合図で毎回、座席をシャッフルするというもの。政策の継続性や専門性を完全に無視し、閣僚の座席と、それに伴う政策担当の割り当てを「くじ引き」で決定するという前代未聞のシステムだ。
現行の閣僚ポスト(財務大臣、外務大臣など)の名称はそのまま使用するものの、実際にどの閣僚がどのポストの担当となるかは、くじ引きの度に変わる。例えば、環境大臣がくじ引きの結果、突如「防衛政策」を担当することになったり、デジタル大臣が「農林水産政策」の担当大臣となったりする。
政府関係者は、「各党の主張が混ざり合いすぎて、もはや誰が何をしたいのか国民にも分からない状態。いっそのこと、すべてを運に任せ、誰が担当になっても文句が言えない状況を作った方が、むしろ議論が進むのではないか」と、本音とも皮肉ともつかないコメントを残している。
この方式の導入により、これまで強硬に反対していた政策が、担当者の交代によってあっさり実現したり、逆に長年の懸案事項が、担当者が頻繁に変わることで「誰も手を付けない」状態になり、自然消滅したりといった予測不能な事態が多発すると見られている。
野党からは「国政をカジノにする気か」と強い批判が出ているが、与党内からも「くじ引きに強い議員を閣僚に登用すべきだ」「『大吉』を引くためのゲン担ぎが流行するのではないか」といった、本質とはかけ離れた議論が噴出しており、早くも新方式の導入効果を疑問視する声も出始めている。

