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警察当局は7日、成田国際空港で大量の「めんつゆ」を持ち込もうとした容疑で、自称料理研究家の男（45）を関税法違反の疑いで検察に書類送検したと発表しました。国内の食卓文化を揺るがす前代未聞の密輸事件に、捜査当局は事態を重く見ています。
前代未聞の押収量：総重量1.5トンの「液体の黄金」
書類送検されたのは、都内在住の料理研究家、田中（仮名）容疑者。警察の調べによると、田中容疑者は先月30日、海外からの帰国便を利用し、税関に申告せず、スーツケース8個と特注の大型クーラーボックス2個に分けて積載された大量のめんつゆ（超濃縮タイプ）を持ち込もうとした疑いが持たれています。
その総量は、通常のそば店約50軒分に相当する1.5トンにも及び、警察は押収しためんつゆを「液体の黄金」と表現しています。空港職員が「液体の多さ」と「異様に強烈な鰹出汁の香り」に気づき、不審物検査を行ったところ、通常のめんつゆではありえないほどの高濃度の液体が大量に見つかりました。
濃縮率が高すぎる「闇ルート」の正体
関係者によると、押収されためんつゆは、市販されているものとは比べ物にならないほど濃縮率が高く、極めて高い原価がかかっているとみられています。特に、そのうち約300kgは、「究極の出汁」と名付けられた、海外の違法な地下工場で精製された極秘ロットであり、水で1万倍に薄めても味が変わらないという驚異的な濃度を誇っていたとのことです。
警察は、これらのめんつゆが、主に日本国内の「そば・うどん愛好家コミュニティ」や、特定の「出汁中毒者」をターゲットにした非合法な『闇つゆ』ルートに乗せられる計画だったと見ています。このルートでは、通常の約10倍の価格で取引されており、田中容疑者は多額の利益を得ていたとみられています。捜査当局は、背後に潜む国際的な「つゆ」密輸組織の関与についても徹底的に捜査を進める方針です。
田中容疑者の供述と「つゆロス」の歪んだ実態
田中容疑者は調べに対し、「日本の出汁文化を世界に広めるための研究材料だった」「最高の『つゆ』を求めるあまり、濃縮率の高いものを集めた」などと供述しており、犯行の動機は未だ不明な点が多いままです。しかし、関係者の間では、国内で深刻化している「つゆロス」問題が、今回の事件の背景にあるとの見方が強まっています。
ある食文化評論家は、「近年、消費者の『麺離れ』が叫ばれる一方で、一部の熱狂的な愛好家の間では、季節を問わず高品質な『つゆ』を求める動きが過熱している。特に、海外で製造された超高濃縮つゆは、規制当局の目を逃れやすく、一部のマニアの間でステータスシンボルとして高値で取引されている」と分析。需要と供給の歪みが、今回の犯罪を生んだと指摘しています。
警察は、このめんつゆ密輸が、日本の食文化の秩序を乱し、人々の味覚に悪影響を与える行為であるとして、今後も空港での「つゆ」関連の持ち込み検査を強化する方針です。
