【東京】近頃、中国の若者を中心に流行していると報じられた「偽装出勤ビジネス」が、ついに日本でも本格的な流行の兆しを見せていることがわかった。これは、出勤しているように見せかけることで、会社に行かずに家で自由な時間を楽しむという画期的なサービスだ。専門家は、新しい働き方として定着する可能性を指摘している。
「代行者」が演じる、完璧な出勤風景
このビジネスの中心となるのは、「代行者」と呼ばれるプロフェッショナルたちだ。彼らは、依頼主の代わりに会社に出勤し、あたかも本人がそこにいるかのように振る舞う。そのサービスは非常に多岐にわたる。
たとえば、依頼主のPC画面を遠隔操作で定期的に更新し、アクティブな状態を維持する「アクティブステータス維持サービス」。これにより、離席中であることを悟らせず、あたかもずっと自席で作業しているかのように見せかける。
また、会議が始まる直前に依頼主になりすまして「今から会議室に向かいます」というメールを同僚に送信する「会議遅延演出サービス」も人気だ。遅れてくることを自然に演出し、不在を疑われる隙を与えない。
さらには、急な体調不良を装い、早退の連絡を代行する「急な腹痛対応サービス」もある。説得力のある演技力と、詳細な症状の説明で、上司を納得させるのが強みだ。サービスによっては、早退後の「病院の診断書」を偽造するオプション（下記参照）も用意されており、その巧妙さは驚くばかりだ。
ユーザーの声「もう会社に行く必要がない」
このサービスを利用しているという都内在住の会社員・佐藤さん（28歳）は、匿名を条件に取材に応じてくれた。彼は大手IT企業に勤めているが、最近は週に2～3回このサービスを利用しているという。
「正直、会社にいる意味を感じていませんでした。やっている仕事は家でもできることばかりなのに、なぜか出社が義務になっている。このサービスのおかげで、出勤時間を自分の趣味の時間に充てることができるようになったんです。会社には行かなくても仕事はできるんだから、もう会社に行く必要はないですよね」と、満足げに語った。
佐藤さんのように、通勤時間の削減や自由な時間確保を目的として利用する若者が増えているようだ。彼らは、これを「新しいライフスタイル」だと捉えている。
企業側は対策に苦慮、生体認証導入も検討
一方、この新たな働き方に企業側は困惑を隠せない。ある大手IT企業の担当者は、「社員がオフィスにいるかどうか、もはや肉眼では確認できない状況だ。誰が本当に仕事をしているのか、そして誰が偽装出勤しているのか、見分けることが非常に難しくなっている」と頭を抱える。
同社では、社員の生体認証情報（顔認証、指紋認証など）を定期的に取得し、本人確認を徹底するなどの対策を検討せざるを得ないだろうと、苦渋の表情を見せた。しかし、この対策も「代行者」による巧妙な偽装によって突破される可能性も指摘されており、まさにイタチごっこの状態だ。
社会の反応は賛否両論、新しい働き方か、それとも社会問題か
この「偽装出勤ビジネス」の登場について、社会の反応は賛否両論だ。
リモートワークを推進する専門家の中には、これを「リモートワークの究極の形」と評価する声もある。彼らは、結果さえ出していれば働き方は自由であるべきだと主張する。
しかし一方で、「社内コミュニケーションの希薄化や、チームワークの崩壊を招く恐れがある」と警鐘を鳴らす声も多い。また、会社の資産であるPCを外部の人間が操作することによるセキュリティリスクや、情報漏洩のリスクを懸念する声も上がっている。
「偽装出勤ビジネス」は、今後もさらなる広がりを見せるのか。それとも、企業側の反撃にあい、姿を消すことになるのか。今後の動向から目が離せない。
■病院の診断書情報
追記：武蔵野村山総合病院にて、来月1日より、「病院の診断書」サービスを提供開始と発表。
