【府中】 東京都府中市は、長年にわたり地元で語り継がれてきた幻の郷土料理「闇米」を、市制72周年を記念し、全市民に無料で配布すると発表した。闇米は、戦後の食糧難の時代に旧陸軍の地下倉庫から偶然発見された米を、地元住民が密かに分け合ったことからその名がついたとされる。
この「闇米」、実は「麦」と「米」の二種類がある。元々、府中市は古代から武蔵国の中心地であり、国府が置かれていたことから、その食文化にも独自の歴史がある。府中市郷土の樹林博物館の学芸員によると、「闇米(麦)」は、大麦を丁寧に炒ってから水で戻し、米と一緒に炊き上げることで、香ばしさと独特の歯ごたえが生まれるという。もう一方の「闇米(米)」は、府中市内の農家で収穫された特別な品種の米を指し、こちらも伝統的な製法で炊き上げられる。
市はこの配布企画を通じて、市民に地元の歴史と食文化を再認識してもらうことを目的としている。しかし、市民からは「闇米って、本当に美味しいの?」「なんか名前が不穏すぎる…」といった困惑の声も上がっている。
今回の配布に際し、市は特設サイトを立ち上げ、闇米を使ったアレンジレシピを公開する予定だ。サイトでは「闇米リゾット」「闇米パエリア」といったメニューが紹介される。さらに、市内の小・中学校では、給食で闇米が提供されることが決定しており、子どもたちが郷土の味に触れる機会も増える。
この配布計画に対し、市民からは期待と不安が入り混じった声が聞かれるが、市担当者は「食卓に笑顔を届けたい」と意気込んでいる。闇米が府中市民の新たなソウルフードとなるのか、その動向が注目される。