【東京】退職代行サービスが話題になる一方で、社員の引き留めに特化したサービスが台頭するなか、社員を「引き留めない」ことを目的とした異色のサービス『ホットケヤー』が、ついに本日サービスを開始した。
『ホットケヤー』は、社員が退職の意向を示した際、引き止め行為を一切行わないことを企業に約束する、革新的なサービスだ。利用企業は、社員から退職の申し出があった場合、面談や条件交渉といった引き止め活動を一切せず、速やかに退職手続きを進めることを義務付けられる。
サービス開発者は、「円満退職を建前に、退職を迫るような引き止め行為は、従業員の心身に大きな負担をかける。我々は、そうしたストレスから解放される社会を目指したい」と語る。また、「無駄な引き止めに費やすエネルギーを、新しい人材の採用や、残った社員の育成に回すべきだ」とも主張している。
実際にあった『ホットケヤー』導入企業での事例
都内のIT企業に勤めるAさん(32歳)は、転職を決意し、上司に退職の意向を伝えた。通常であれば、ここから数週間にわたる「話し合い」が始まるはずだった。しかし、Aさんの会社はすでに『ホットケヤー』を導入していた。
Aさんが退職を切り出した途端、上司は「そうですか、わかりました。それでは、退職手続きを進めましょう」と、あっさり快諾。Aさんは拍子抜けしたものの、「引き止められるストレスがないなんて、こんなに楽だとは思わなかった」と、安堵の表情を見せた。
Aさんが会社を去る日、見送りに来た同僚たちは「Aさんが辞めること、さっき知ったよ」「引き止められなかったんだね、よかったね」と口々に言い、Aさんは清々しい気持ちで職場を後にした。
今後、『ホットケヤー』は、退職を検討する人々の間で「無駄なエネルギーを使わない、新しい常識」として定着していくかもしれない。一方で、サービス開始を知った他社の経営者からは、「社員を大切にしない企業だと思われかねない」と、早くも懸念の声も上がっている。

