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鬼殺隊ラジオ形式で、お送りいたします。
時代設定: 現代パロディではなく、隊士たちがそのままの姿で現代で公開録音をしているという「キメツ学園」的なゆるい時空設定です。
【場所】
大阪・道頓堀 特設ステージ（および近隣のお好み焼き店）
【出演】
- 甘露寺蜜璃（メインパーソナリティ兼グルメレポーター）
- 胡蝶しのぶ（進行・ツッコミ役）
- 伊黒小芭内（蜜璃の保護者・冨岡への刺客）
- 冨岡義勇（ゲスト・巻き込まれ事故）
オープニング：道頓堀の熱気
(SE: 賑やかな大阪の雑踏と、観客の歓声)
胡蝶 「みなさん、こんばんは。鬼殺隊報・特別放送。本日は大阪、道頓堀から公開録音でお届けします。進行の蟲柱、胡蝶しのぶです」
甘露寺 「みなさ～ん！ こんばんは～！ 恋柱の甘露寺蜜璃よ！ うわぁ、すごい人！ それに……すっごくいい匂いがするわ～♡」
伊黒 「……甘露寺、あまり身を乗り出すな。危ないぞ。……こんばんは、蛇柱の伊黒だ。おい、そこの青い羽織。突っ立ってないで挨拶しろ」
冨岡 「……水柱の、冨岡義勇だ。（小声で）なぜ俺がこんなところに……」
胡蝶 「あら冨岡さん、今日は『ダブルデート風』のロケだと聞いて来たくせに、またそんな顔をして。相変わらず協調性がありませんね」
冨岡 「……デートとは聞いていない。『粉もんの呼吸』の習得だと聞いた」
伊黒 「信じる方も信じる方だが……チッ。俺と甘露寺の時間を邪魔するなよ」
第1コーナー：熱々！たこ焼きロシアンルーレット？
胡蝶 「さて、大阪といえば『粉もん』。まずは屋台のたこ焼きを買ってきました。ただ食べるだけでは面白くありませんから、『あ～ん♡』で食べさせ合いっこをしてもらいましょう」
甘露寺 「キャーッ！ なにそれ恥ずかしい！ でも……伊黒さんとなら……ポッ♡」
伊黒 「（即座に）甘露寺、口を開けてくれ。一番大きくてタコがプリプリしていそうなのを選んだ」
甘露寺 「あーん♡ ……はふっ、はふっ！ ん～～っ！ おいしぃ～～！！ ソースとマヨネーズが口の中で踊ってるわ～！」
伊黒 「（優しい声で）そうか、可愛いな。口元にソースがついているぞ。（指で拭う）」
（会場：黄色い歓声）
胡蝶 「はいはい、お熱いですね。では、次はこちらのペア。冨岡さん、口を開けてください」
冨岡 「……自分で食える」
胡蝶 「空気が読めませんね。ラジオですよ？ 音をお届けするんです。ほら、出来たてのあっつあつをどうぞ」
(SE: むぎゅっ)
冨岡 「んぐっ……！！（熱すぎて言葉が出ない）」
胡蝶 「あら？ 冨岡さん、涙目ですよ？ 大阪の熱気（物理）に感動しましたか？ さっさと飲み込まないと火傷しますよ？」
冨岡 「（必死に飲み込む）……熱い……。これは、赫刀（かくとう）の温度か……」
伊黒 「大げさだ。さっさと水でも飲んで隅でうずくまっていろ」
第2コーナー：鉄板上の決戦！ お好み焼き奉行
(SE: ジュ〜〜ッという鉄板の音)
甘露寺 「わぁ～！ 次はお好み焼きね！ 目の前の鉄板で焼くの、ずっと憧れてたの！」
伊黒 「甘露寺、君は座って待っていてくれ。俺が完璧に焼き上げてみせる。キャベツの切り方から生地の空気の含ませ方まで、すべて計算済みだ」
胡蝶 「伊黒さん、意外と几帳面ですね。……おや、冨岡さんもコテを持ってやる気ですか？」
冨岡 「……俺は、お好み焼き作りで嫌われたことはない」
胡蝶 「焼いたこと自体ないのでは？」
（数分後）
伊黒 「よし……反転させるぞ。『蛇の呼吸 伍ノ型・蜿蜿長蛇（えんえんちょうだ）・返し』！」
(SE: スパァン！ 美しい音)
甘露寺 「すごーい！！ 綺麗なまんまる！ しかも私が食べやすいように、ハート型になってるわ！ さすが伊黒さん♡」
伊黒 「君への愛を形にしただけだ。さあ、食べてくれ」
胡蝶 「素晴らしいですね。で、冨岡さんの方は……？」
冨岡 「……」
(SE: ぐちゃぁ……)
胡蝶 「あらら。見事に分解しましたね。『凪（なぎ）』のように静かにひっくり返そうとして失敗したんですね。具材たちがバラバラで、まるで冨岡さんの人間関係のようです」
冨岡 「……まだ修正できる。形など、腹に入れば同じだ」
伊黒 「その汚い物体を甘露寺の視界に入れるな。食欲が減退するだろうが」
甘露寺 「まっ、待って伊黒さん！ 冨岡さんが一生懸命焼いたんだもの！ 私が半分食べるわ！ ねっ、冨岡さん、元気出して！」
冨岡 「（少し感動）……甘露寺……。お前は……優しいな……」
伊黒 「（殺気）おい冨岡。 甘露寺に気安く話しかけるな。その失敗作は俺が処理する。貴様はそこで青のりでも数えていろ」
エンディング：食い倒れの夜
胡蝶 「さて、あっという間にお別れの時間です。蜜璃さん、大阪の粉もんデートはいかがでしたか？」
甘露寺 「もう最高だったわ！ たこ焼きもお好み焼きもおいしいし、伊黒さんはかっこいいし、冨岡さんも……えっと、面白かったし！ またみんなで来たいわね！」
伊黒 「甘露寺が望むなら、次は京都でも北海道でもどこへでも連れて行く。……ただし、メンバーは選抜させてもらうがな（冨岡を睨む）」
冨岡 「……俺は、鮭大根があるならどこでも行く」
胡蝶 「ふふっ、最後まで噛み合いませんでしたね。それではリスナーの皆さん、また次の任務地でお会いしましょう。さようなら」
甘露寺 「バイバ～イ！ モダン焼き追加でお願いしまーす♡」
伊黒 「店員、マヨネーズ多めで頼む」
冨岡 「……俺にも、水をくれ」
【放送終了後の裏話】 結局、冨岡が崩したお好み焼きは、甘露寺が「もんじゃ焼きみたいで新しいわ！」とフォローし、伊黒が渋々食べたそうです。帰りの道中、冨岡の羽織からはずっとソースの匂いがしており、カラスに追いかけられていました。
