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東京都内の24時間制フィットネスジムで13日深夜、30代の男性会員が漫画『鬼滅の刃』の剣技を模した独自の呼吸法「ジムの呼吸」を用い、施設内のトレーニングマシン全台を完遂する事案が発生した。男性はすべての動作に合わせて技名を絶叫していたが、そのタイミングがあまりに完璧だったため、周囲の利用客やスタッフが誰も止められないという奇妙な空間が生まれた。
「全集中・筋肥大の呼吸」を披露したのは、自称・筋肉柱の会社員、剛田力也さん(34)。目撃者によると、剛田さんは入店直後から深く鋭い呼吸を繰り返し、肌着を破り捨ててタンクトップ姿になると、チェストプレスの座席に深く腰掛けた。
剛田さんは、ハンドルを押し出す瞬間に合わせ、施設内に響き渡る声で「ジムの呼吸、壱ノ型! 大胸筋・炸裂(バースト)!」と絶叫。通常なら迷惑行為として即座に制止される音量だったが、筋肉の収縮と技名の語尾が100分の1秒の狂いもなくシンクロしていたため、周囲の利用客は「見てはいけないものを見た」という畏怖の念とともに、その美しさに圧倒されたという。
その後も剛田さんの勢いは止まらなかった。ラットプルダウンではバーを引き下げながら「弐ノ型! 広背筋・翼(ウイング)!」、レッグプレスでは「参ノ型! 大腿四頭・プレス車(グルマ)!」と、次々とマシンを攻略。
居合わせた利用客の一人は「最初はうるさいと思ったが、アブドミナル・クランチで体を丸めながら『伍ノ型! 腹直筋・虚空(アブス)!』と叫んだ時のキレがあまりに凄まじく、気づけば心の中で応援していた。最後は自分も呼吸を合わせてしまった」と興奮気味に語った。
剛田さんは約1時間をかけ、有酸素運動エリアを含む全28種類のマシン(型)を制覇。最後のトレッドミルでは、走りながら「終ノ型! 有酸素・無限地獄(カーディオ・インフィニティ)!」と叫び、設定時間終了の電子音と同時に力尽きて床に倒れ込んだ。
ジムの店長は「規約上は完全にアウトだが、全ての器具を正しいフォームで、かつてないほど丁寧に扱っていた。マシンの油圧シリンダーさえも彼のリズムに共鳴しているようだった」と困惑しつつも称賛。剛田さんには厳重注意とともに、プロテイン1杯が振る舞われた。
剛田さんは取材に対し、「判断が遅い。筋肉の声を聞けば、自然と型は繰り出される」と語り、夜の闇へと消えていった。

