この記事は約 3 分で読めます。
都内在住の会社員、夢見がち子さん(28)が13日、近所のレンタルビデオ店で借りた恋愛ドラマのDVD50本を、「恋心の呼吸」と呼ばれる特殊な呼吸法を駆使して一晩ですべて視聴し終えるという偉業を成し遂げた。すべての「型」を映像の展開に合わせて絶叫しながら完走した例は国内初とみられる。
夢見さんは無類の恋愛ストーリー好きとして知られるが、多忙な業務により視聴時間の確保に悩んでいた。そこで彼女が編み出したのが、人気漫画『鬼滅の刃』にヒントを得た視聴術「全集中の呼吸・恋心(こいごころ)」だ。
目撃した隣人の証言によると、13日午後8時頃、夢見さんの部屋から「恋心の呼吸、壱ノ型!『倍速再生(ばいそくさいせい)』!」という叫び声とともに、早回しの高い音声が響き始めたという。
その後も、オープニング曲が流れるやいなや「弐ノ型!『導入飛ばし(イントロスキップ)』!」と叫んでリモコンを操作。感動的なクライマックスシーンでは「参ノ型!『箱手巾枯渇(ティッシュボックス・エンプティ)』!」と絶叫し、涙を拭く間も惜しんで次のディスクへ交換する音が確認された。
特に近隣住民を驚かせたのは、物語の中盤、主人公カップルにすれ違いが発生した際の対応だ。夢見さんは「肆ノ型!『相関図確認(ウィキペディア・チェック)』!」と叫びながら、スマホでネタバレを確認して精神を安定させるという高度な技を披露。さらに夜明け前、睡魔が襲ってきた際には「奥義!『カフェイン過剰摂取(エナジードリンク・ガブノミ)』!」を発動し、意識を強制的に覚醒させ続けた。
そして14日午前9時55分、開店直後のレンタル店に駆け込んだ夢見さんは、カウンターの前で最後の型を放った。 「終ノ型!『延滞金回避(ギリギリ・セーフ)』!」
全てのDVDを返却ボックスに叩き込んだ夢見さんは、満足げな表情でその場に崩れ落ちたという。
日本レンタルビデオ協会は「呼吸法による視聴効率化は素晴らしいが、隣人への騒音や自身の健康被害を考慮し、用法用量を守って正しく推し活をしてほしい」とコメントしている。

