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東京都国立市内のコンビニエンスストアに設置されたクレーンゲーム機の前で14日、人気アニメ『鬼滅の刃』関連グッズを狙い、作中の剣技さながらに「呼吸」と「型」を叫びながらアームを操作し、景品を全て獲得する女性(34)が現れた。店員や居合わせた客が騒然とする中、女性は陳列されていた全5種類のフィギュアをわずか10分で「コンプリート」し、満足げに立ち去った。
目撃者によると、女性は両替機で大量の100円硬貨を用意した後、ゲーム機の前で深く深呼吸。「全集中、クレーンの呼吸……」と呟くと、目つきが変わったという。
女性はボタンを押すタイミングに合わせ、店内に響き渡る声で技名を絶叫。「壱ノ型・重心狙い!」「弐ノ型・タグ掛け!」など、物理法則に基づいた攻略法を「型」として叫びながら、正確無比なタイミングでボタンをリリース。アームは吸い寄せられるように景品の急所を捉え、次々と取り出し口へ落下させていった。
特に周囲を驚愕させたのは、アームの閉じる力が弱まる設定を技術でカバーした瞬間だったという。女性は「参ノ型・確率無視!」と叫びながら、アームの爪ではなく「ひじ」の部分で箱を押し込む荒業を披露。見事に景品を押し倒して獲得した。
店長(48)は「最初は音声認識機能付きの最新機種に変わったのかと思った。あまりの気迫に『店内ではお静かに』と注意する間もなかった」と青ざめる。女性が去った後のゲーム機は、焼け野原のように空っぽになっており、そこには勝利の余韻だけが残されていた。
女性は取材に対し、「アームの揺れ、バネの強さ、全てが見える。『隙の糸』が見えた瞬間に声を出すことで、指先の神経とボタンの反応速度を極限まで同調させている」とコメント。「次は隣町のショッピングモールに『上弦の筐体(激辛設定の台)』があると聞いたので、柱として責務を全うしに行く」と言い残し、大量のフィギュアが入った袋を背負って闇夜に消えた。
日本クレーンゲーム協会は「呼吸を使ってもアームの強さは変わらないが、精神統一の効果はあるかもしれない。ただし、他のお客様の迷惑になるので、心の中で叫んでほしい」と呼びかけている。

