コラム: 聖夜を前にした冬将軍の到来

コラム

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師走も半ばを過ぎ、カレンダーがいよいよ残り少なくなると、待ち構えていたかのように空気が一変した。暖冬という言葉に油断していた身には、この突然の寒波はいささか堪える。

1. 招かれざる客、冬将軍

天気予報の等圧線が縦に並ぶ「西高東低」の冬型気圧配置。大陸から張り出した高気圧が、容赦のない寒気を日本列島へと送り込んでくる。クリスマスを前にして、プレゼントよりも先に厳しい寒さが届いてしまったようだ。街行く人々の肩は自然とすくみ、ポケットに手を突っ込んで足早に過ぎ去っていく。

2, 凍てつく夜のイルミネーション

帰宅途中、駅前の広場でふと足を止めた。身を切るような北風の中で、クリスマスツリーのイルミネーションが、普段よりも一層鮮やかに輝いて見えたからだ。空気が乾燥し、塵が舞わない冬の夜は、光が真っ直ぐに届くという。

ふと見れば、マフラーを鼻まで埋めた学生たちが、白い息を弾ませながらその光を見上げている。寒さそのものは疎ましいが、この凛とした冷気こそが、冬の景色を最も美しく演出するスパイスなのかもしれない。

3. 暖かさを知るための寒さ

厳しい寒波は、私たちに「暖かさ」のありがたみを教えてくれる。冷え切った体を温かいスープや部屋の暖房が包み込む瞬間、そこには単なる温度以上の安らぎがある。

クリスマスまであと僅か。この寒さが、聖夜の団欒をより温かいものにしてくれることを願いつつ、今は厚手のコートの襟をしっかりと立てて歩きたい。

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