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人気アイドルグループ「無限男子」のドームツアー最終公演が行われた14日、客席の女性ファンが、漫画やアニメで人気の剣術表現を取り入れた独自の声援スタイル「推しの呼吸」の全型(すべてのかた)を、一曲の間に完璧なタイミングで叫び切るという椿事があった。周囲の観客からは「うるさいが、気迫に圧倒された」「もはや本物の『柱』に見えた」と畏怖の声が上がっている。
この偉業(?)を成し遂げたのは、都内在住の会社員、佐藤里香さん(24・仮名)。佐藤さんは、楽曲のイントロが始まった瞬間に「全集中・常中!」と叫び、肺に大量の酸素を取り込むと、推しのメンバーである通称“尊(とうと)”こと田中尊(たける)さんのパートに合わせて、独自の型を繰り出し始めた。
目撃者によると、佐藤さんは曲のAメロでペンライトを素早く振り上げ、「推しの呼吸、壱ノ型・『無限振込(むげんふりこみ)』!」と絶叫。これは「推しへの経済的支援」を剣技に見立てたものとみられる。
続くサビ前では、体をのけぞらせながら「弐ノ型・『尊死(とうとし)』!」と叫び、一時的に仮死状態になるパフォーマンスを披露。さらに、推しがウインクをした瞬間には、0.1秒の遅れもなく「参ノ型・『網膜焼付(もうまくやきつけ)』!」と叫び、双眼鏡を構えたまま微動だにしない集中力を見せた。
圧巻だったのは、楽曲のクライマックスである大サビだ。佐藤さんは周囲のコール&レスポンスを一切無視し、推しのソロパートに合わせて「奥義・玖ノ型・『同担拒否(どうたんきょひ)・円舞』!」と叫びながら、両手に持った特注の巨大うちわを円形に振り回し、半径1メートルの結界を作り出したという。
ライブ終了後、佐藤さんは汗だくになりながら取材に応じた。「以前から、推しへの愛を伝えるには、通常のコールでは肺活量が足りないと感じていた。呼吸法を極めることで、ペンライトの軌道が見えるようになった」と語り、充血した目で「ただ、全ての型を叫ぶのに忙しくて、曲自体はあまり覚えていない」と付け加えた。
ステージ上の田中尊さんは公演後のブログで、「客席の一部から、鬼を滅するような凄まじい闘気を感じた。ペンライトが日輪刀に見えて怖かった」とコメントしており、事務所側は今後、会場内での「呼吸の使用」についてガイドラインを検討するとしている。
佐藤さんは現在、さらなる高みを目指し、推しのスキャンダル発覚時にも動じない「凪(なぎ)」の習得に励んでいるという。
