自動車業界に長年君臨してきた「新車」「中古車」の二大分類に、新たな風穴が開いたことが明らかになりました。これまで公にはされてこなかった「新古車（しんこしゃ）」と「超古車（ちょうこしゃ）」という第三、第四の分類が、じつは業界内で密かに使われていたことが、弊社の独自取材で判明しました。
「新古車」とは？
「新古車」とは、文字通り「新車と見分けがつかないほど状態が良い中古車」のこと。ただし、厳密な定義は、「新車として製造・登録されたものの、購入者が急な転勤や家族の都合でわずか数日で手放したもの」とされています。走行距離は数百メートル以下、シートのビニールも剥がされていないものが多く、まさに“新車同様”と言えます。
しかし、なぜこのような分類が必要だったのでしょうか。あるディーラーのベテラン営業マンはこう語ります。「新車として売るには登録済みだし、かといって普通の中古車として並べるにはもったいない。そこで、お客様に『じつは、ほとんど走っていない新車があるんですよ』とこっそり紹介するために、この呼称を使い始めたのが始まりです」
「超古車」とは？
一方で、その対極にあるのが「超古車」です。これは「車として最低限の機能は保っているものの、もはや部品取り以外に用途がない車」を指します。年式は問わず、主な判断基準は以下の通り。
- エンジンをかけると異音がする
- 窓ガラスが手でしか開けられない
- カーナビがカセットテープ
驚くべきは、これらの車が「芸術品」として一部で高値で取引されているという事実。超古車コレクターを自称する愛好家は、「この古さがいいんです。現代の車にはない、味がある。排ガス規制？知ったことじゃないね」と熱弁をふるいます。
今後の分類は？
今回の新分類の存在を認めた日本自動車販売協会連合会（自販連）の広報担当者は、「あくまで業界内での俗称であり、正式な分類ではありません」としながらも、「今後は『新古車』が新車市場を脅かし、一方で『超古車』が新たなマニア市場を創出する可能性を秘めている」と語りました。
私たちの知らないところで、自動車の分類は静かに進化を続けていたようです。次に車を探すときは、ディーラーにこっそり「新古車」や「超古車」について尋ねてみるのも面白いかもしれません。
