【東京】 文部科学省は27日、中学校国語教科書について、ことわざ「嘘も方便」を独立した必須単元として新たに採用する方針を固めた。早ければ来年度から導入される見通しだ。
これまで道徳的な観点からやや否定的に扱われがちだったこのことわざについて、文科省は「人間関係における『優しさ』や『配慮』の精神を体現する、極めて重要なコミュニケーションスキル」と位置付けを大きく転換。現代社会で頻発するコミュニケーションの摩擦を低減させる「社会の潤滑油」としての役割を再評価した。
新単元で学ぶ具体的な「方便」の技術
新単元では、単にことわざの意味を学ぶに留まらず、具体的なシチュエーションでの「方便」の実践的なテクニックを習得することが目的となる。
- 友人への配慮: 「その服、ちょっと…」と感じた際、「めちゃくちゃ個性的な色使いだね!」とポジティブに言い換える技法。
- 遅刻の言い訳: 「寝坊した」ではなく、「近所の猫を助けていたら遅れた」という、創造性を伴う説明の組み立て方。
- 料理の感想: 「正直、味が薄い」と感じても、「素材の風味を最大限に活かした、通好みの繊細な味付けですね」と褒め上げる技術。
担当者「建前を学ぶことで本音の価値も高まる」
文科省の教科書担当者は記者会見で、「若者が建前を学ぶことは、逆説的に本音で語り合うことの価値をより深く理解することにつながる」と力説。また、「これにより、日本社会特有の『空気を読む』文化を国際的なコミュニケーションの優位性として確立したい」と壮大な目標を掲げた。
全国の中学校教師からは、教材作成の難しさから「正直、困る」という本音と、「これは教育的方便ですね」という建前の入り混じった声が上がっているという。

