「まさか渋谷にクマが…」ハチ公銅像が「クマ注意喚起」の象徴に
東京・渋谷区は、今年のハロウィン期間中（10月30日～11月1日早朝）、区のシンボルであるハチ公前広場での全てのハロウィン関連行為を全面禁止すると既に発表済みが、例年とは少し事情が異なるようだ。理由は、全国で相次ぐクマの出没被害が、コスチューム姿の集団を「クマの群れと誤認」させる恐れがあるという、極めて異例の判断によるものだ。
渋谷区長は緊急記者会見で、「毎年、ハチ公前にはクマの毛皮や動物の着ぐるみ姿の若者が集まる。今年はその数が異常に増えると予想される中、区民から『本物のクマと見分けがつかなくなり、パニックになる』『クマが着ぐるみに誘われてくるのではないか』という切実な声が多数寄せられた」と説明。
禁止の根拠は「クマ被害対策特別条例」
今回の全面禁止は、先日施行されたばかりの「渋谷区クマ被害対策特別条例」に基づくもので、特に人通りが多いエリアでの「クマに擬態する行為」や「クマを連想させる大声や騒音」を厳しく規制するという内容だ。例年ならばハロウィンコスチュームなどの迷惑内容が、今年はクマ被害を意識してのことだろう。
- 規制対象のコスチューム例： クマ、イノシシ、シカ、オオカミ、またはそれらに見えると判断される毛皮・着ぐるみ全般。
- 違反者への対応： 違反者には、ハチ公像の前で「クマではありません」と大声で宣言させる行政指導と、その場で着ぐるみを脱ぐよう命じる措置が取られる。
区長「迷惑ハロウィンは『クマの集会』に見える」
区は、期間中、ハチ公像を例年通りの厳重な「クマよけ柵」で囲うとともに、クマ対策の専門家を警備員として配置する。彼らは、着ぐるみの素材や、歩き方、そして発する声のトーンから「本物か否か」を瞬時に判断する訓練を受けているという。
渋谷区長は最後に、「迷惑ハロウィンは、単なる騒音ではなく、区民の生命を脅かす『クマの集会』に見える」と強調し、今年のハロウィンは「おうちで安全に、クマではない仮装を楽しんでほしい」と強く呼びかけた。
影響
「クマの着ぐるみ」はハロウィン人気の高いコスチュームの一つであり、この決定に、すでに予約していた着ぐるみ業者の間では「在庫がクマった」と、早くも悲鳴が上がっている模様だ。
