【東京】最近、駅の改札機でICカードをあえて軽くかざし、エラーで足止めを食らう様子を撮影した「タッチ弱め」動画が、若者を中心にSNSで急速に広まっている。この奇妙なトレンドは、インフルエンサーの「ニンニン服部半蔵でごわす」氏が投稿した動画をきっかけに始まった。
動画の冒頭でニンニン服部半蔵でごわす氏は、まるでDJがスクラッチをするかのように、リズミカルにICカードを改札機にかざす。しかし、もちろん読み取りは失敗。後続の利用客が渋滞し、困惑する様子がコミカルに描かれている。この動画は瞬く間に数百万回再生を記録し、「#タッチ弱め」というハッシュタグと共に、模倣する若者が続出している。
このブームに対し、鉄道各社は困惑を隠せない。ある鉄道会社の広報担当者は「朝のラッシュ時にこのような行為が行われると、運行にも影響が出かねません」と顔をしかめる。SNS上でも賛否両論が巻き起こっており、「面白い」と評価する声がある一方、「公共の場で迷惑行為をするな」という批判も多い。
若者の間では「改札でアートを表現する」という謎の解釈まで生まれており、改札エラー音をサンプリングして音楽を作る「改札ビート」という派生ジャンルまで登場している。今後、この奇妙なブームがどこまで広がるのか、鉄道業界とSNSユーザーの間で静かな攻防が続いている。