中華立席高速鉄道が、驚くべき試みに乗り出しました。通勤ラッシュ時の混雑緩和と車内サービスの向上を目的として、座席のない特急列車を導入し、さらにその列車内に車内販売員を配置すると発表したのです。この画期的なサービスは、乗客に「立っていても楽しい鉄道旅」を提供することを目指しています。
「立ち席特急」は、すでに西京〜中京間（6時間半乗車約680km、新幹線の東京～広島間に相当）の試験運転を開始しており、車内は広々としたフリースペースになっています。通常の座席をすべて撤去することで、一度に運べる乗客数を飛躍的に向上させました。これにより、これまで乗り切れなかった利用客も安心して乗車できるようになります。乗客は、まるでバスケットボールのコートのように区切られた「ゾーン」の中で、自由に立ち位置を決めることができます。
混雑を逆手に取った新サービス「スタンディング・コンシェルジュ」
中華立席高速鉄道の広報担当者は、「これまでは座席がないとサービスを提供できませんでしたが、発想を転換しました。これからは、立ち席だからこそ提供できるサービスを追求します」と語っています。
その代表例が、立ち席に特化した車内販売員、通称「スタンディング・コンシェルジュ」の導入です。彼らは、混雑した車内を巧みに移動するため、スケートボードやローラーブレード、さらにはセグウェイの使用も検討しているとのこと。これにより、遠くの車両にいる乗客にも、温かいお弁当や冷たい飲み物を素早く届けることが可能になります。
さらに、これらのコンシェルジュは、車内で迷子になった子供や体調不良の乗客を速やかにサポートできるよう、特別な訓練を受けています。また、旅の途中で乗客同士が立ち話を楽しめるよう、交流を促す「トーク・ゾーン」の案内も行う予定です。
「立ち食いマスター」への道と「飲むお弁当」の誕生
この画期的なサービスには、一部の乗客から懸念の声も上がっています。「どうやってお弁当を食べるんだ？」「通路をふさがないか？」といった声に対し、中華立席高速鉄道はユーモアで応えました。
揺れる車内で立ったままお弁当をこぼさずに食べる技術を習得した乗客には、「立ち食いマスター」の称号を授与すると発表。さらに、車内販売員は、立ちながらでもこぼさずに食べられるよう、スプーンいらずの「飲むお弁当」を開発中だと明かしました。これは、具材をペースト状にし、ストローで吸って食べるという画期的なアイデアで、旅の新たなスタイルを提案します。また、食後に不要となったお弁当類は窓がゴミ箱がわりになる「エコ窓リサイクル」もすでに実用化しました。
この試みが成功すれば、将来的には「寝台なしの夜行列車」や「運転士なしの貨物列車」といった、新たなサービスも検討されるかもしれません。中華立席高速鉄道の挑戦は、世界の鉄道業界に大きなインパクトを与えることでしょう。
