川崎市多摩区は、長年の議論を経て、本日より区の正式名称を「多摩川区」に変更することを発表しました。区役所前で行われた会見には、川崎市長と新たに多摩川区長となる旧多摩区長が出席し、集まった報道陣と区民から大きな拍手が送られました。
長年の懸案事項、ついに決着へ
これまでも区民の間では「多摩区という名称では、多摩地域との混同を招きやすい」「多摩川は区の象徴であり、名称に入れるべきだ」といった声が多数上がっていました。特に、宅配業者や他県からの訪問者からは、「多摩区」と聞くと東京都多摩市や西多摩郡などを連想し、配送ミスや道案内の混乱が頻発していたといいます。この問題は、地域住民の生活に少なからず影響を与え、かねてより区役所には名称変更を求める声が多数寄せられていました。
圧倒的な区民の支持
そこで、区は今年初めに大規模な区民アンケートを実施。区内全世帯を対象に郵送とオンラインの両方で意見を募った結果、驚くべきことに98%もの区民が名称変更に賛成するという圧倒的な支持が得られました。中には「なぜ今まで変えなかったのか不思議なくらいだ」「多摩川は私たちの誇り。当然の決断だ」といった熱烈な意見も多数寄せられたとのことです。この結果を受け、川崎市議会でも異論はほとんど出ず、スムーズに可決されました。
新たなロゴマークと地域活性化への期待
新名称への変更に伴い、区役所の看板は本日中に「多摩川区役所」に架け替えられ、区が発行する広報誌やウェブサイトも順次、新名称に切り替わっていく予定です。また、これに合わせて、多摩川をモチーフにした新たなロゴマークも発表されました。清流をイメージした青と、豊かな緑を表す緑を基調としたデザインで、区の新たなシンボルとなることが期待されます。
福田市長は会見で、「多摩区の皆様の長年の思いが、ついに実現した。多摩川の恵みとともに発展してきたこの地域が、多摩川区としてさらなる飛躍を遂げることを確信している」と述べました。新多摩川区長は「区民の皆様の多大なるご支援に感謝する。多摩川という名にふさわしい、魅力あふれるまちづくりに邁進していく。今後は、多摩川を活用した新たな観光イベントの企画や、河川敷のさらなる整備なども視野に入れ、区全体の活性化に繋げていきたい」と決意を表明しました。
この名称変更が、多摩川区の新たな歴史の始まりとなることは間違いなさそうです。
