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【東京】 古くから魔除けや豊穣を願って用いられる「しめ縄」ですが、最近、そのしめ縄を丁寧に編んで作る「寿鶴(ことぶきづる)」という民芸品が、都心から離れた一部の神社や地域でひそかに話題を集めています。その由来は定かではありませんが、「鶴の恩返し」のような、小さいながらも心温まるご利益があったというエピソードが、口コミで広がりを見せています。
🕊️ 寿鶴がもたらした、ささやかなご利益
話題の中心となっているのは、都内在住の主婦、大西光代さん(50代)のエピソード。
大西さんは、近所の古美術品店で購入した手のひらサイズの「寿鶴」を、何気なく玄関の棚に飾っていました。その矢先、長年動きが鈍く、開けるたびに大きな音を立てていた自宅の玄関の引き戸の滑りが、突如、信じられないほどスムーズになったというのです。
「もう完全に寿命だと思って、年末にリフォームを考えていたんです。それが、寿鶴を飾って二日目の朝、スーッと音がしなくなっていて。油を差した形跡もないし、本当に不思議で。リフォーム代が浮いた、なんてレベルじゃないですが、毎日使う場所だから、とても気持ちがいいんです」(大西さん)
別の利用者からは、「寿鶴を枕元に置いてから、無くしたと思っていたスマホの充電ケーブルが、なぜか洗濯カゴの底から見つかった」という報告や、「数ヶ月滞っていた自治会費の集金が、飾った翌日に全て完了した」といった、日常の「小さな滞り」が解消されたという声が上がっています。
📱 TikToker兼製作者kerie氏「これは生活の『小さなバグ』を修復するお守り」
これらの「地味なご利益」が話題となっている「寿鶴」の製作者であり、TikTokで製作過程をライブ配信しているkerie氏は、今回のブームについて、ライブ配信中にやや困惑した様子で次のように語りました。
「皆さん、ちょっと待って!
私の作っている寿鶴が『ご利益』でバズっているのは、本当に恐縮なんですけど、これ、大げさなものではないんです。
私が作っているのは、しめ縄の端材を編んだ、単なる『結び目の飾り』ですから。
鶴の形に編み込むことで、『縁や結びつきが解けないように』という願いを込めているだけなんです。
たぶん、皆さんの生活の中で、長年放置されていた『小さなバグ』が、たまたま解消されただけだと思うんですよね。
大きな奇跡は起こせないけれど、『あの扉のキーキー音が消えた』とか、『なぜか今日は渋滞に遭わなかった』とか。
そんな、日々の『ちょっとしたストレス』を静かに取り払うのが、この鶴の『小さな恩返し』の限界です。
どうか、過度な期待はなさらないでくださいね。」
kerie氏は、注文が増えても「手編みなので、製作には時間がかかる」として、生産量を大幅に増やすことは否定。その控えめな態度が、かえって「信憑性が高い」と、ユーザーの支持を集めています。
■しめ縄で作る「寿鶴」情報(オマージュ、謝辞)
kerie氏がしめ縄で作る「寿鶴」をはじめとする作品は、ひとつひとつハンドメイトで作成。当新聞の当主も、上記画像とは異なる「寿鶴」を購入
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