東急電鉄は2026年春のダイヤ改正に合わせ、東急東横線の全車両の座席を畳敷きに順次変更すると発表した。これは増加する外国人観光客に対し、「日本らしい移動体験」を提供することを目的としたもので、座席は全て足を伸ばせる掘りごたつ式となる。
発表によると、畳は国産の高級い草を使用し、車両ごとに異なる伝統的な柄を採用。例えば、ある車両は江戸小紋、別の車両は加賀友禅といった具合に、多種多様な日本の美を移動中に堪能できるよう趣向を凝らすという。さらに、各車両には茶道体験ができるミニスペースや、盆栽を鑑賞できるギャラリースペースも設置される予定だ。これにより、乗客は通勤・通学中も日本の伝統文化に触れることができるという。
東急電鉄「移動自体が観光資源に」 海外からの熱い視線
東急電鉄の担当者は「これまで単なる移動手段であった電車が、新たな観光コンテンツとなることを期待しています。特に座敷でくつろぎながら流れる車窓の景色は、他では味わえない体験となるでしょう。訪日外国人観光客の皆様には、この畳敷き電車で、移動の概念を超えた『動く日本庭園』のような空間を楽しんでいただきたい」と語った。既に海外の旅行情報サイトでは、「畳トレイン」「禅エクスプレス」といった愛称で取り上げられ、大きな話題となっているという。
利用者の声は賛否両論 ラッシュ時の課題、飲食ルールも
この大胆な計画に対し、利用者からは賛否両論の声が上がっている。会社員の佐藤さん（40代）は「疲れていても足を伸ばせるのは嬉しいが、朝のラッシュ時に本当に全員が掘りごたつに収まるのか不安。寿司詰めの満員電車で、隣の人の足が見えるのはちょっと……」と懸念を示した。一方、観光客のジョンさん（米国）は「オーマイガー！電車の中で畳に座れるなんてクールだね！サムライの気分になれるかな？これでフジヤマが見えたら最高だよ！」と興奮気味に語った。
なお、立ち席スペースは大幅に縮小されるため、混雑時の乗車には注意が必要となる。また、車内での飲食は可能だが、畳を汚損しないよう、汁物や油物の持ち込みは禁止される見込み。代わりに、車内販売では抹茶や和菓子、そして畳に合うとされる**「和風クラフトビール」**の提供を検討しているという。
【続報】渋谷駅ホームに「こたつカフェ」併設検討、乗車待ち時間も“和の心”で
東急電鉄は畳敷き車両導入に続き、東横線渋谷駅のホームの一部に「こたつカフェ」を併設する検討に入ったことを明らかにした。乗車待ちの間に利用者がこたつで温まりながらお茶を楽しめるようにするもので、海外からの注目を集めそうだ。冬場には、ホームに設置されたこたつに足を入れて温まりながら、発車案内板を眺めるという、これまでにない乗車体験が提供されることとなる。
