大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は22日、現在全線各駅停車で運行している今里筋線(IMR)に、全国の地下鉄でも類を見ない「急行列車」を導入すると発表した。2026年度中の運行開始を目指す。
同社はかねてより「大阪メトロは速い」「乗り換えがスムーズ」との評価を得てきたが、今回の急行導入は、その評判を揺るぎないものにする大胆な試みだ。急行停車駅は、今里、鴫野、太子橋今市のわずか3駅。守口から今里まで約12分かけていた所要時間が、急行導入によって驚異の約11分に短縮される見込み。約1分の時間短縮のため、各駅停車との交互運転で、急行の待ち時間が増加するという課題が浮上している。
特に、中間駅の乗客からは「急行通過駅のホームが閑散として、急行が通り過ぎるだけの謎の空間が生まれる」「各駅停車に乗るしかないのに、なぜか急行表示を見るだけでイライラする」といった声が寄せられている。また、全線にわたって急行が導入されることで、同線は実質的に「今里・鴫野・太子橋今市を結ぶ速達サービス」となり、中間駅の存在意義が問われる事態となっている。
大阪メトロ広報は「今里筋線は、急行を運行するには最も適した路線。停車駅が3つしかないので、お客様もどの駅に急行が止まるか覚える必要がない。誰にとってもわかりやすい運行形態だ」と、自信をのぞかせた。
利用者からは「今里筋線急行がどれほどの速さなのか、一度体験してみたい」「いや、待て。急行に乗っても1分しか短くならないなら、各駅停車で十分だ」など、賛否両論が巻き起こっている。
今里筋線は、全長11.9km、駅数11駅。今回の急行導入により、都市の地下鉄としての新たな可能性を模索する、大阪メトロの挑戦が始まる。