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鬼殺隊ラジオ形式で、お送りいたします。
時代設定: 現代パロディではなく、隊士たちがそのままの姿で現代で公開録音をしているという「キメツ学園」的なゆるい時空設定です。
【出演】
- パーソナリティ(進行): 胡蝶しのぶ
- ゲスト(実質主役): 甘露寺蜜璃
- ゲスト(護衛兼デート相手): 伊黒小芭内
- ゲスト(数合わせ): 冨岡義勇
オープニング:鴨川のほとりにて
(SE: 鴨川のせせらぎ、観光客のざわめき、拍手)
しのぶ 「皆さま、こんにちは。蟲柱の胡蝶しのぶです。本日は『鬼殺隊ラジオ』特別出張版。なんとここ、京都・鴨川のほとりから公開録音でお届けしています。」
蜜璃 「きゃーーっ! 京都よ! 京都! すごいわ素敵だわ! 景色も綺麗だし、お着物の方もたくさんいて、胸がキュンキュンしちゃうわね!」
伊黒 「……甘露寺、あまり身を乗り出すな。川に落ちたらどうする。……俺が支えるが。」
蜜璃 「ありがとう伊黒さん! もう、伊黒さんったら過保護なんだから♡」
しのぶ 「ふふ、開始早々お熱いですね。さて、今日は『隊士の休息』をテーマに、この4人で京都のデートスポットを巡る企画ですが……おや? もう一人、いらっしゃいますね。」
義勇 「…………。」
しのぶ 「冨岡さん、マイクが入っていませんよ。意気込みくらい語ったらどうですか?」
義勇 「……俺は、任務だと聞いて来た。」
伊黒 「チッ。なんで俺と甘露寺の大事な時間に、よりによって貴様がいるんだ、冨岡。空気を読んで鴨川の等間隔のカップルの間に座って沈んでいろ。」
義勇 「……俺は嫌われていない。ただ、席が空いていなかっただけだ。」
コーナー1:清水寺で「愛の告白」?
(SE: 砂利を歩く音、鐘の音)
しのぶ 「さて、一行は清水寺へやってきました。『清水の舞台から飛び降りる』という言葉がありますが、恋にはそれくらいの覚悟が必要ということですね。」
蜜璃 「わあ~っ! 高ーい! 景色が最高ね! ねぇねぇ伊黒さん、あっちに見えるのは何かしら!?」
伊黒 「(デレデレ声で)あれは京都タワーだな。だが甘露寺、君の瞳の方が何倍も輝いているぞ。」
蜜璃 「きゃっ♡ 伊黒さんったら詩人~!」
しのぶ 「はいはい。ではここで、リスナーからのリクエスト。『清水の舞台で、意中の相手に叫んでほしい一言』を実演してもらいましょう。まずは冨岡さん。」
義勇 「……俺が?」
しのぶ 「ええ。そこに誰もいないと思って、全力で叫んでください。」
義勇 「(深呼吸して)………………鮭大根!!!!」
(SE: カラスの鳴き声 カァ……カァ……)
しのぶ 「……情緒のかけらもありませんね。次、伊黒さんお願いします。」
伊黒 「フン、俺が甘露寺以外に言葉を紡ぐわけがないだろう……。(蜜璃に向き直り、急に真剣なトーンで)甘露寺。君が食べる桜餅の葉っぱになりたい。」
蜜璃 「ええっ!? 葉っぱ!? 食べちゃっていいの!? でも素敵ーっ!!」
義勇 「(ボソッと)……葉は、塩漬けにすると美味い。」
伊黒 「貴様は黙ってろ冨岡!!」
コーナー2:嵐山・食べ歩き選手権
(SE: 賑やかな商店街の音)
しのぶ 「気を取り直して、嵐山へ移動しました。ここでは『食べ歩き』を楽しみましょう。甘露寺さん、目の色が違いますね。」
蜜璃 「だって! 見てしのぶちゃん! お団子に湯葉チーズ、抹茶ソフトにお煎餅! 全部美味しそうなんだもの! 私、全部買ってくるわ!」
(SE: ドタドタと走り去る音)
伊黒 「待て甘露寺! 財布は俺が出す! ……おい冨岡、貴様はここで荷物番をしていろ。」
義勇 「……俺も、八ツ橋を……。」
しのぶ 「あら、冨岡さん。あそこのお店、『お一人様、入店お断り』って顔をしてますよ?(※嘘)」
義勇 「……そうか。なら、外で待つ。」
(数分後)
蜜璃 「ふあ~♡ 美味しかったぁ! 伊黒さん、お口に抹茶ついてるわよ? ふふっ(拭いてあげる)。」
伊黒 「(石化)…………ッ!!(昇天)」
しのぶ 「伊黒さんがキャパオーバーで固まってしまいましたね。あら、冨岡さん。手に持っているのは何ですか?」
義勇 「……鹿のフンだ。」
蜜璃 「ええーっ!? 食べ物じゃないわよ冨岡さん!!」
義勇 「……奈良公園と間違えた。」
しのぶ 「ここは京都ですよ。本当に天然ですね、この人は。」
エンディング:夕暮れの祇園
(SE: 夕暮れのBGM、風鈴の音)
しのぶ 「楽しい時間はあっという間ですね。夕暮れの祇園、石畳が綺麗です。」
蜜璃 「今日は本当に楽しかったわ! 美味しいものもたくさん食べられたし、みんなとお出かけできて最高だった! 伊黒さん、連れてきてくれてありがとう!」
伊黒 「(復活して)ああ……君が笑っているなら、それだけで俺は満足だ。……だが、次は二人きりがいいな。」
蜜璃 「え? 何か言った?」
伊黒 「いや、なんでもない。」
しのぶ 「ふふ、青春ですねぇ。それでは最後に、冨岡さん。今日のデートの感想をどうぞ。」
義勇 「……京都は、道が碁盤の目でわかりやすい。だが……。」
しのぶ 「だが?」
義勇 「……俺の八ツ橋は、どこへ行った。」
しのぶ 「さあ? 鹿が食べたかもしれませんね。それではリスナーの皆さま、また次回の『鬼殺隊ラジオ』でお会いしましょう。さようなら。」
蜜璃 「バイバーイ! またねー!」
伊黒 「甘露寺、足元に気をつけろ。」
義勇 「……俺の八ツ橋……。」
(SE: フェードアウト)
おまけ


