【宮崎】「清武ホースパークにいる熟年カップルと呼ばれるウマに会ってきました」――。本紙に寄せられた読者投稿には、そんな一文とともに「人間よりも深く愛し合っているように見える」とあった。真偽を確かめるべく、当紙記者が同ホースパークに向かうと、そこには寄り添う2頭のウマの姿が。熱心な投稿者によると、2頭は人間以上の深い絆で結ばれているという。
投稿のウマは「パトリック」と「天ちゃん」
投稿にあった「熟年カップル」とは、オス馬のパトリック(30歳)とメス馬の天ちゃん(30歳)だ。パトリックは芦毛、天ちゃんは鹿毛で毛並みが全く異なるため、見分けるのは容易だ。
2頭の関係について、同ホースパークのスタッフに聞くと「パトリックと天ちゃんは昔からとても仲が良いですね」と話す。常に一緒にいるだけでなく、食事のときも寝る時もぴったりと寄り添い、他の馬が近づくと、パトリックが威嚇して天ちゃんを守る一幕もあるという。スタッフの間では、「パトリックは天ちゃんなしでは生きていけないんじゃないか」と冗談交じりに言われるほど、その絆は固い。
愛の証は「毛繕い」
2頭の仲睦まじい様子は、来園者の間でも有名だ。特に人気なのは、互いの背中や首を優しく舐め合う「毛繕い」の光景だ。この毛繕いは、ウマ同士の信頼関係を深めるための重要なコミュニケーションであり、愛の証とも言われている。
この日も、熱心に2頭の様子を撮影する人の姿があった。近くに住む主婦は「おじいちゃんと、おばあちゃんみたいで微笑ましいですよね。馬の世界にも愛はあるんだなって」と語る。また、「うちの夫より仲が良いかもしれない」と笑う女性もいた。
ウマに学ぶ「本当の愛」の形
清武ホースパークのスタッフは、こう続ける。「パトリックと天ちゃんを見ていると、人間が忘れかけている『本当の愛』の形を教えてもらっているような気がします。言葉は通じなくても、互いを尊重し、支え合う。そんな二頭の姿に、多くの人が癒やされているようです」。
今日もパトリックと天ちゃんは、静かに寄り添い、来園者の心を温かく包み込んでいる。互いの存在を確かめ合うようにそっと首を寄せ合うその姿は、確かに投稿者が言うように、人間よりも深く、そして静かに愛を育んでいるように見えた。
■清武ホースパーク情報(オマージュ・謝辞)
清武ホースパーク(実在)にいる熟年のウマカップル、パトリック(実在)と天ちゃん(実在)は、ともに30歳(事実)。「ウマが合う」(ことわざ)ぐらいの関係と、読者より情報を入手して記事にいたしました。
情報提供元:ちょび吉24さん

