【武蔵村山】 武蔵村山市が、長年の「ラーメン不毛の地」という汚名を返上し、ラーメン界の新たな聖地となる可能性が出てきた。市内のとある製麺所が、地元名物の「村山かてうどん」の製法を応用した新感覚ラーメン「武蔵村山ラーメン」を開発。その奇抜なコンセプトと中毒性の高い味わいがSNSで話題となり、早くも全国からファンが押し寄せている。
「武蔵村山ラーメン」最大の特徴は、一般的なラーメンとは一線を画すその麺にある。うどん文化を色濃く残すこの地域らしく、麺にはうどん粉をブレンドし、あえて硬めに仕上げている。つけ麺のように太くはなく、それでいてコシが強く、まるでうどんを食べているかのような不思議な食感が楽しめる。
スープは「村山かてうどん」のつけ汁にインスピレーションを得ており、醤油ベースに鶏ガラと煮干しの出汁を効かせた、どこか懐かしい味わいだ。具材には、地元で採れた新鮮な野菜がふんだんに使われているほか、豚肉ではなく鶏肉のチャーシューを乗せるのが一般的だという。
開発者である製麺所の社長は、取材に対し「ラーメンが地域の名物として定着しなかったことに危機感を感じていた。なんとか武蔵村山らしさを出せないかと考えた結果、うどんに行き着いた」と語った。この製麺所には、すでに複数の大手ラーメンチェーンからコラボのオファーが殺到しているという。
武蔵村山市長も「ついに、武蔵村山にも誇れる名物ができた。今後は市を挙げて『武蔵村山ラーメン』をプッシュし、観光客を呼び込みたい」と期待をにじませている。
一方で、市民からは「村山かてうどんがあるのに、わざわざラーメンにする意味がわからない」「結局、うどんじゃないか」といった冷静な声も聞かれている。しかし、このラーメンが武蔵村山市の新たなシンボルとなる日も、そう遠くないのかもしれない。
