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【神業】揚げ物革命!油分と卵分でつなぎは不要。サクサク感は小麦粉の比ではない
「かき揚げに、もう小麦粉は要りません」――。
そう言い放つのは、食品開発コンサルタントの味野 絶人(あじの・ぜつと)氏(72)。同氏がこのたび、長年の研究の末に辿り着いたという新たな調理法が、料理界に激震を走らせています。その名も「マヨネーズかき揚げ」。
常識では考えられませんが、味野氏の作り出すかき揚げは、驚くべきことに小麦粉や片栗粉といった「つなぎ」を一切使用せず、具材をマヨネーズだけで和えて揚げるというもの。その背景には、マヨネーズの持つ驚異的な乳化作用と油分が隠されていました。
🥚 秘密は「マヨネーズの科学」にあり:完璧な乳化構造が衣に

「衣の黄金比は、マヨネーズ10に対し、水は0。これがブレない絶対条件です」と語る味野氏。氏は、一般的な天ぷらにおける「つなぎの役割」を科学的に分析した結果、マヨネーズこそが最強のつなぎであることを発見したといいます。
一般的なマヨネーズは、卵黄や酢、植物油を主成分としており、全体の約65〜70%が油分で構成されています。味野氏によると、この油分と卵黄に含まれるレシチンの働きが、具材を強力に結びつける接着剤の役割を果たすとのこと。
特に重要なのは、マヨネーズが「油中水滴型」の完璧なエマルション(乳化)構造を持っている点です。具材をマヨネーズでコーティングし、そのまま高温の油に投入すると、次の現象が起きます。
- マヨネーズ内の微細な水分が瞬時に蒸発する際に、無数のミクロな気泡となる。
- この気泡が、マヨネーズの約7割を占める油分によって形成された膜、つまり「油のカプセル」に閉じ込められる。
これにより、小麦粉のデンプンでは決して出せない、軽やかでシャープなサクサク感が、衣全体に均一に生まれるのです。
👨🍳 達人が語る調理のコツ:火加減は“熱湯地獄”

実際に、味野氏が目の前で調理して見せてくれました。具材には、細切りにした玉ねぎや人参、春菊のほか、隠し味として冷凍した小エビを使用。
「具材をマヨネーズで和える時は、量が少ないとパラパラになり、多すぎるとベチャベチャになる。目安は、具材全体が、ギリギリ滑らかに光沢を帯びる程度」(味野氏)。ボウルの中でマヨネーズが具材と絡み合い、その見た目は、もはや“サラダ”と呼ぶ方が適切です。
揚げる際のコツは、徹底した温度管理にあります。

「これを躊躇なく、180℃に熱した油に投入する。油が熱くなければ、衣を構成するマヨネーズの乳化が壊れ、溶けて分離してしまう。火加減は“熱湯地獄”くらいの高温を維持することが重要だ。この高温が、マヨネーズの酸味を一瞬で飛ばし、香ばしさだけを残してくれる」(味野氏)
✨ 驚愕の食感:「サクサク」を通り越した「シャラシャラ」

揚げ始めると、マヨネーズ特有の酸味が飛び、香ばしい香り(専門用語でいう「マヨネーズ熱分解臭」)に変化します。揚がったかき揚げは、小麦粉を使ったもののように狐色になることはなく、マヨネーズに含まれる卵白質のおかげで、真っ白に近い黄金色に仕上がり、持っただけで崩れそうなほどの繊細な軽さです。
試食した記者も驚愕。口に入れた瞬間、その衣は音を立てて砕け散り、例えるなら「サクサク」を通り越した「シャラシャラ」という表現が適当です。噛むたびにマヨネーズ由来の豊かなコクと、油の層が剥がれるような小気味よさが舌に残ります。一般的なかき揚げのような、口の中に残る重たさやモタつきは皆無。胃もたれの心配もほぼないという主張もありますが、カロリー計算は複雑になるとのことです。
味野氏の研究室には、現在、大手外食チェーンや天ぷら専門店からの問い合わせが殺到している模様。この調理法は、日本の料理の世界に新たな一ページを開くことは間違いありません。
■マヨネーズかき揚げ(オマージュ)
マヨネーズを加えて、主成分が小麦粉によるかき揚げは存在しますが、主成分の小麦粉を使わず、つなぎをマヨネーズによるかき揚げは、まだ商用利用はないようです。研究所による研究成果の発表が待たれています。

