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家庭用芳香剤大手のフェリス製薬(京都市)は7日、衣類や空間に噴霧することで、生活臭を瞬時に消し去り、あたかもそこに猫がいるかのような匂いで充満させる新型スプレー「キャットモスフィア」を来月1日から販売すると発表した。ペット禁止の賃貸住宅に住む「隠れ猫ファン」や、猫アレルギーだが猫を吸いたい層からの熱烈な要望に応えた。

通常、消臭スプレーといえば、タバコや汗、ペットの排泄臭などを「無臭化」または「良い香り」に変えるものが一般的だ。しかし同社が開発した「キャットモスフィア」は、それらの悪臭を強力に分解した直後、特殊配合されたナノ粒子が「日向ぼっこをした直後の猫の背中」や「香ばしい肉球(ポップコーン臭)」の香りを空間に定着させる。
開発チームは、約1000匹の猫から採取した匂い成分をガスクロマトグラフィーで徹底分析。猫特有の、ほんの少しホコリっぽく甘いミルクのような香りと、太陽光を浴びた布団のようなドライな香りを黄金比率で再現することに成功した。
布製品への親和性が極めて高く、カーテンやラグ、座布団などに吹きかけると、繊維の奥まで成分が浸透。顔をうずめて深呼吸する行為、いわゆる「猫吸い」をした際に、最もリラックス効果が得られる濃度に調整されているという。

モニター利用した30代男性(会社員)
「スーツにひと吹きしてから出社すると、満員電車でも常に愛猫に抱きつかれているような安心感がある。部長に怒られている最中も、自分の袖から漂う肉球の香りを嗅ぐだけで慈愛の精神を取り戻せた」
一方で、発売前から懸念の声も上がっている。実在の猫を飼っている家庭で使用した場合、飼い猫が「見知らぬ巨大な猫が侵入した」と勘違いし、部屋中のクッションや所有者に威嚇行動をとるケースが報告されたためだ。同社広報部は「本物の猫がいるご家庭では、猫の嫉妬を招く恐れがあるため使用を控えてほしい」と異例の注意喚起を行っている。
価格はオープン価格。同社は今後、アニマルアロマシリーズのシリーズ展開として「雨上がりの犬小屋」や「回し車を全力疾走したハムスター」の香りも開発検討中だとしている。

