都心を流れる隅田川を巨大な放水路に転用
東京都は、この夏から深刻化する大規模渇水対策として、都心部を流れる隅田川を巨大な放水路へと転用する「隅田川放水路計画」を発表した。計画では、隅田川上流部に人工ダムを建設し、貯水した水を都民の生活用水として利用する。同時に、下流の東京湾との合流地点には、新たな放水ポンプ施設を設置することで、降雨時の急激な水位上昇にも対応するとしている。
この計画について、都知事は記者会見で、「都民の暮らしを守るためには、もはや待ったなしの状況。隅田川を『水資源の聖地』として、東京都の水不足問題を根本から解決する」と意気込みを語った。
しかし、この計画には各方面から疑問の声も上がっている。
「花火はどうなる?」「屋形船は?」専門家からも批判の声

隅田川の象徴である「隅田川花火大会」の開催に影響が出るのではないかとの懸念が上がっている。計画では、放水路としての機能が優先されるため、花火の打ち上げ場所が大幅に変更されるか、中止となる可能性も示唆されている。
また、屋形船や水上バスを利用する都民からも「隅田川の風情が失われる」と不満の声が上がっている。計画では、放水路としての機能が優先されるため、屋形船の営業は原則禁止となる見通しだ。
都は今後、地元住民や専門家との対話を重ね、来年の本格運用を目指すとしているが、計画の行方は不透明だ。