テーマパークの歴史を塗り替える異例のテコ入れか?
【大阪】ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、毎年恒例の「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が終了した翌日から、パーク全域で突如として「ユニバーサル・グランド・ディグ(Universal Grand Dig)」、通称「掘らないと!」キャンペーンを始動させた。
夜のパークを徘徊し、ゲストを絶叫の渦に巻き込んできたストリート・ゾンビたちは一斉に姿を消し、代わりにパークのあちこちにツルハシ、シャベル、そして「発掘場所」を示す目印が設置された。キャンペーン名が、ホラーナイトのセリフを連想させる「掘らないと!」という強引なダジャレであることに対し、来場客からは困惑の声が上がっている。
絶叫から重労働へ
「掘らないと!」のコンセプトは、「究極の恐怖の次は、究極の達成感」だという。ゲストは専用の「ディガー・パス」を購入し、パーク内の指定されたエリアで本気の土壌発掘に挑戦する。
- ジュラシック・パーク・エリアでは「太古の化石(レプリカ)」
- ハリウッド・エリアでは「埋蔵された映画の小道具」
- ハリー・ポッター・エリアでは「魔法の遺跡(ガラクタ)」
など、エリアごとに異なる“お宝”を発見することが目的だ。発見者には特製「ディガー・認定証」と、パーク内レストランで使える「大盛り券」が贈呈されるという。
USJの広報担当者は、「ホラーナイトで喉が枯れるまで叫んだ後は、心ゆくまで地面を耕すことで、肉体のリミットを超えた新たな感動体験を提供したい」と熱弁。しかし、初日から「土が硬すぎる」「シャベルの持ち方が分からない」「腰を痛めた」といったクレームが続出し、パーク内の救護室にはゾンビではなく、腰痛を訴えるゲストが長蛇の列を作っている模様だ。
ハミクマもハニワに転職か?
さらに、ホラーナイトの人気キャラクターであるハミクマが、発掘作業員風のツナギ姿で登場し、ゲストにツルハシの使い方を指導する「ハミクマ・ディガー・ダンス」がスタート。ファンからは「クマなのに穴掘りのプロ?」「もうハニワじゃないか」と、その設定のブレに戸惑いの声が上がっている。
この斬新すぎるキャンペーンは、一部の熱心な考古学ファンと重労働マニアからは絶賛されているものの、一般のゲストの反応は冷ややかだ。USJは、「掘らないと!」キャンペーンは来年のホラーナイトまでの恒例イベントとして定着させたい意向だが、その道のりは深く険しい地中に埋もれているようだ。

