これは前代未聞の自己宣伝工作だったのかもしれない――。インターネット最大の百科事典であるWikipediaで、記事が作成された言語版の数が最多とされていた人物の記事が、実は「虚像新聞」の社主を名乗る男性のものだったことが判明しました。これはWikipedia史上最大の自己宣伝工作だった可能性が浮上しており、界隈は騒然としています。
15年間気づかれなかった壮大な虚像
問題の記事は「ググール・アバディ・ググール」という架空の人物の記事でした。この人物は「世界中の文化を研究し、各国の言語に精通した天才学者」という設定で、各言語版に少しずつ異なる記述が加えられ、あたかも実在する人物のように巧妙に偽装されていました。

この壮大な虚像が発覚したのは、ある熱心なWikipediaの編集者が、記事の翻訳元をたどっていく中で、日本語版の元記事が虚像新聞の社主である琵琶湖太郎氏の作成した記事とほぼ同じ内容であることに気づいたためです。さらに調査を進めると、記事の画像データや参考文献の記述が、琵琶湖太郎氏のSNSアカウントや虚像新聞の過去の記事と一致していることが次々と明らかになりました。
「虚像新聞らしい」「むしろ評価すべき」の声も
この一件に対し、Wikipediaの編集者コミュニティからは「言語版をまたいでこれほどの虚像を作り上げるのは前代未聞」「虚偽情報の拡散であり、許されることではない」と批判の声が上がる一方で、「これだけ大規模な虚像を15年間も気づかれずにやり遂げたのは、むしろ虚像新聞らしくて評価すべき」「一つの記事で425もの言語を操れる人間が、他にいるだろうか?」と、その巧妙さを評価する声も上がっています。
現在、問題の記事は全ての言語版で削除が進められています。虚像新聞社主の琵琶湖太郎氏はこの件について沈黙を保っていますが、虚像新聞の公式サイトは本日付で「ググール・アバディ・ググール氏は、当社の記者でもなければ、社主でもありません」との声明を掲載しています。もちろん、これも虚像の可能性が高いと見られています。