日本列島に新たな「ハレ」をもたらす

(※この記事はフィクションであり実在の人物・団体とは関係ありません)

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西宮神社、「福男」に続き「晴男」選びを導入

兵庫県西宮市にある西宮神社(通称・えびす宮総本社)は、正月恒例の「十日えびす」で行われる開門神事「福男選び」に続き、新たに「晴男(はれお)選び」を導入すると発表した。これは、近年多発する異常気象や豪雨災害を憂慮し、「太陽の恵みと安定した天候を呼び込む」ことを目的とした新たな神事として、来年より正式にスタートする。

走って決める「福」と「ハレ」

「晴男選び」は、福男選びと同様に、境内の赤門から本殿までの約230メートルを走り抜け、その到着順によって一番晴男、二番晴男、三番晴男を決定する。福男選びが早朝の午前6時に行われるのに対し、晴男選びは毎月20日(通称・ハレの日)の正午に実施される。

西宮神社の宮司は、「福は人々にもたらされる幸運だが、天候の安定は社会全体の幸福に直結する。福男の『速さ』が新年の勢いを象徴するように、晴男の『速さ』は天候の回復力を表す。最も早くゴールした者は、その一年、自らが関わるイベントや地域の天候を安定させる特殊な神気を帯びる」と、神事の意義を説明した。一番晴男には、西日に照らされて虹色に輝く特製の木札が授与されるという。

試行で思わぬ効果も

今年10月に行われた試行神事では、参加者のうち最も遅れてゴールした人物が「雨男」として認定されてしまった。その「雨男」は翌日から連続して3日間、個人的な外出時に必ず局地的な豪雨に遭い、周囲から「究極の雨男」と呼ばれる事態に。これを受け、神社側は急遽、「雨男」の認定は行わず、上位3名の「晴男」のみを顕彰する方針へと変更した。「神事はあくまで前向きな願いを叶えるもの」と神社関係者は強調している。

来年の第一回「晴男選び」はすでに定員の1000名に達しており、参加者からは「これで来年の家族旅行の天気が保証される」「自分が走ることで、日本から梅雨が消滅するかもしれない」といった、根拠のない期待の声が聞かれている。

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