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新型空気清浄機「ニャノイー」の爆発的普及に伴い、実物の猫を置かずに営業する「エア猫カフェ」が都内を中心に急増している。
■ 見えない猫を愛でる人々
東京・秋葉原にオープンした「Catless(キャットレス)」の店内は、異様な静寂に包まれていた。 カーペット敷きのフロアには、座布団やキャットタワーが置かれているが、猫の姿は一匹もいない。代わりに設置されているのは、業務用の大型「ニャノイー」5台だ。 客たちは皆、虚空を見つめて微笑んだり、何もない空間に向かって猫じゃらしを振ったりしている。時折、「よしよし、いい子だ」と独り言も聞こえる。
常連の男性客(28)は語る。 「本物の猫カフェは、猫が寄ってこないこともあるし、引っかかれることもある。でもここは違う。ニャノイーのおかげで、常に濃厚な猫の気配に包まれている。目を閉じれば、そこには確実に『理想の猫』がいるんです。餌代もかからないから利用料も安いし、最高ですよ」
■ 経営側のメリットと新たな問題
店長によると、この業態は生体を扱わないため、動物愛護法による規制を受けず、深夜営業も可能だという。「猫の体調管理も不要で、粗相の掃除もいらない。ただフィルターを交換するだけで、客は満足して帰っていく」と笑いが止まらない様子だ。
しかし、問題も起きている。あまりにリアルな「猫の気配」に没入しすぎるあまり、店から出られなくなる「ネコ粒子依存症」の客が増加しているのだ。 また、路上では、ニャノイーの排気口に顔を近づけて長時間動かない人々(通称・吸い猫)が散見され、職務質問されるケースも相次いでいる。
警察庁は「匂い自体は合法だが、公共の場所で何もない空間を撫で回す行為は、通行人に不安を与える可能性がある」として、節度ある使用を呼びかけている。
猫山電機はこれを受け、「現実への帰還を促すため、1時間に1回、嫌いな人が多い『強烈な猫缶の匂い』を噴射する機能を追加する」と発表した。
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