【身の回りにいる○○○柱】激安店で「清掃の呼吸」乱れ打ち 謎の主婦が店内をピカピカにし立ち去る

(※この記事はフィクションであり実在の人物・団体とは関係ありません)

日常生活

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 14日午後、都内の激安ディスカウントストア「ドン・キヨメール」練馬店で、来店した女性客が大声で技名を叫びながら、店内の清掃を勝手に行うという事案が発生した。女性は人気アニメを彷彿とさせる「呼吸」と「型」を駆使し、陳列棚の乱れや床の汚れを瞬時に解決。全ての型を言い終えると同時に清掃を完了させ、何も買わずに立ち去った。

 目撃者によると、女性は30代から40代とみられ、背中に「滅菌」と書かれた割烹着を着用。午後2時のタイムセールで混雑し、商品が散乱していた「日用品コーナー」に現れると、突如として深く息を吸い込み、「全集中、清掃の呼吸」と呟いたという。

 女性は持参した高性能ハタキを刀のように構え、「壱ノ型・塵芥一掃(じんかいいっそう)!」と叫びながら、棚の上のホコリを高速で除去。続けて、雑巾を両手に持ち替え、「弐ノ型・水拭き車(みずぶきぐるま)!」と唱えながら、床を縦横無尽に回転移動し、頑固な汚れを拭き取った。

 店員が制止しようと近づいたが、女性の動きはあまりに速く、目にも留まらぬ速さで次々と「型」が繰り出された。

 「伍ノ型・鏡面磨き(きょうめんみがき)!」の声とともにガラスケースが新品同様の輝きを取り戻し、「玖ノ型・在庫補充(ざいこほじゅう)・乱れ陳列!」では、段ボールに残っていた商品を、芸術的なバランスで山積み陳列(圧縮陳列)に仕上げた。

 圧巻だったのは、店内のBGMがサビに入るタイミングに合わせたフィニッシュだったという。

 女性はレジ前の行列スペースに滑り込むと、深く息を整え、静かにこう言い放った。

 「終ノ型・顧客満足(カスタマーサティスファクション)……

 その瞬間、散らかっていた買い物カゴがきれいに積み重なり、レジ周りのゴミが消失。女性は「悪鬼滅殺」ならぬ「悪臭抹殺」と刺繍されたハンカチで額の汗を拭うと、店員や客が呆気にとられる中、満足げな表情で自動ドアから退店していった。

 同店の店長は取材に対し、「本来なら業務妨害だが、年末の大掃除の手間が省けて助かった。彼女はおそらく『柱』クラスの清掃スキルを持っている。時給1500円でスカウトしたい」と困惑と称賛の混じったコメントを残している。

 警察は、感謝状を贈るべきか、不法侵入で捜査すべきか、対応を協議している。

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