JR東日本は、首都圏の鉄道輸送力強化の一環として、山手線に急行列車を導入する計画を明らかにしました。これにより、山手線は急行と各駅停車の2種類の列車が運行されることになります。
各駅停車は「山手線 各駅停車」に
新設される急行列車は、主要なターミナル駅である品川、渋谷、新宿、池袋、上野、東京のみに停車し、内回りは約20分、外回りは約25分で環状線を一周する予定です。これにより、これまで山手線を利用していたビジネス客や観光客の移動時間が大幅に短縮されると見込まれています。
一方、これまでの山手線は「山手線 各駅停車」として区別されることになります。駅構内の案内板や車内のアナウンスも順次変更され、乗客の混乱を避けるための工夫が凝らされます。
なぜ急行が必要なのか？
JR東日本は、今回の急行導入について「都心部の人口集中と、インバウンド需要の増加に対応するため」と説明しています。特に、国際的なイベントや大規模な再開発が進む中で、都心主要駅間の移動をよりスムーズにすることが喫緊の課題となっていました。
急行が導入されれば、例えば新宿駅から東京駅への移動時間が約10分短縮される計算となり、ビジネスにおける機動力が飛躍的に向上すると期待されています。
浮上する「通過駅」問題
急行の導入は歓迎される一方で、各駅停車しか止まらない駅の利用者からは不満の声も上がり始めています。新大久保駅や目白駅など、これまで全ての列車が停車していた駅が「通過駅」となるため、「急行に乗れない」という不公平感や、「急行導入による混雑の悪化」を懸念する声も聞かれます。
JR東日本は、急行の運行本数や各駅停車の増便などを検討し、全ての利用者が快適に利用できるサービスを目指すとしています。
運行開始は2026年春を予定しており、詳細は後日発表されるとのことです。
