長年にわたり日本の自動車産業を支えてきた、神奈川県横須賀市の日産自動車追浜工場が、2027年度末をもって閉鎖されることが、日産自動車より本日正式に発表されました。電気自動車(EV)への生産体制移行に伴う、世界的な生産拠点再編の一環とされています。この決定は地域経済に大きな影響を及ぼす一方、跡地利用を巡る壮大な計画が、関係者筋から漏れ伝わってきました。
総事業費1500億円!日本最大級の「イオンモール追浜」
関係者筋によると、閉鎖後の広大な工場跡地(約170ヘクタール)には、総事業費1,500億円を投じ、日本最大級の複合商業施設「イオンモール追浜」(約75ヘクタール)と「イオンモールリゾート」(約95ヘクタール)が建設されるとのことです。イオンモールは、埼玉県越谷市にあるイオンレイクタウンの約2倍の面積に匹敵する、まさに前代未聞の巨大プロジェクトです。複数の大手デベロッパーが参画し、2031年の開業を目指して、すでに詳細な計画が進行しています。
広大な敷地に広がる4つのゾーン
「イオンモール追浜」と「イオンモールリゾート」は、海と空をテーマにした4つのゾーンで構成される予定です。
1.マリン&リゾートゾーン
日産自動車のテストコースとして利用されていたエリアを大規模に掘削し、東京湾から直接海水を引き込むことで、海抜0メートルの巨大な人工湖が誕生します。湖では、ヨットやカヌー、SUPなどのマリンスポーツが楽しめるほか、湖畔には湖を一望できる全室オーシャンビューの高級リゾートホテルと、クルーズ船の発着も可能なマリーナが整備されます。夜には湖面を彩る壮大な噴水ショーも企画されており、新たな観光名所となること間違いなしです。
2. ショッピング&エンターテイメントゾーン

湖の北側に建設される、延床面積約20万平方メートルの大規模商業施設です。ファッション、雑貨、グルメはもちろんのこと、最新のEVを展示・試乗できる「未来モビリティ館」、親子で楽しめるテーマパーク型のアミューズメント施設、そして、日産自動車の歴史を学べる「日産ヘリテージミュージアム」も併設されます。
3.EVライフスタイルゾーン
敷地の南側には、次世代モビリティに特化したエリアが作られます。約2万台収容の巨大立体駐車場には、最新のEV用急速充電器が多数設置されるほか、キャンピングカーやアウトドアギアの専門店、EV充電設備を備えたオートキャンプ場が整備されます。EVユーザーが安心して長時間滞在できる、国内屈指の目的地となるでしょう。
4.公園&ウェルネスゾーン

敷地の東側、工場跡地の一部を緑豊かな広大な公園として整備します。ランニングやサイクリングコースが整備され、健康志向の高い地元住民や観光客に開放されます。また、天然温泉を利用したスパ施設も併設され、心身ともにリフレッシュできる癒しの空間を提供します。
課題と期待が交錯する街の未来
この壮大な計画は、長年にわたり自動車産業に依存してきた追浜の街を、まったく新しい「リゾートとレジャーの街」へと変貌させる可能性を秘めています。しかし、人工湖の生態系への影響や、大規模な交通渋滞への対策など、解決すべき課題は山積しています。地域住民の間には、期待と同時に「慣れ親しんだ街が大きく変わってしまう」ことへの戸惑いも広がっています。
長年にわたり日本の自動車産業を支えてきた追浜工場が、その役割を終え、新たな時代の幕開けを告げようとしています。この壮大な計画が、単なる夢物語に終わるのか、それとも現実のものとなるのか、今後の動向から目が離せません。