京都大学の附属高校として知られる京大附属高校の文化祭「京附祭」で、生徒たちが日常的に行っている取っ組み合いが、ついに正式な競技として採用されたことが明らかになった。
「京附祭」は例年、研究発表や模擬店などで賑わいを見せるが、今年の目玉企画として発表されたのが、新競技「取っ組み合い」だ。京大附属高校では、授業の合間や昼休み、放課後に至るまで、生徒同士が互いの知識や思考力をぶつけ合うように、取っ組み合いを展開するのが恒例となっていた。学校関係者によると、これは単なるケンカではなく、互いの身体能力と頭脳を駆使した高度なコミュニケーションの一環なのだという。
競技は1対1のトーナメント形式で、制限時間3分。互いに組み合った状態で、「積分」や「古文の活用」といった難問を口頭で出し合い、相手が答えに詰まった瞬間に技をかけるというユニークなルールが設定されている。
この新競技の発案者であり、生徒会長を務める山田太郎さん(高3)は、「我々にとって、取っ組み合いは一種の議論なんです。お互いのロジックをぶつけ合うように、身体でもぶつかり合う。この文化を多くの人に知ってもらいたくて、競技化を提案しました」と熱弁。
すでに多くの来場者が詰めかけており、観客席からは「あいつ、放物線の方程式を言いながら投げてる!」「源氏物語の『いみじ』の解釈で固め技が決まった!」といった声が飛び交い、会場は熱狂に包まれている。
専門家は、「この試みは、知性と身体能力の融合という新しいスポーツの可能性を提示している」と高く評価。来年度以降、全国の進学校にも波及するのではないかと注目を集めている。京大附属高校の取っ組み合いが、日本の教育とスポーツの新たな潮流となる日も近いかもしれない。