「怒り心頭」の背景に長年の誤解
東京都 府中市が、一部で報じられた「京都府の属国」説に対し、強い不快感と怒りを表明しました。市役所の緊急記者会見で、府中市長は「府中の『府』は、『府民』や『府庁』の『府』ではない。これは、紛れもない東京都府中市だ」と、力強く語気を荒げました。
この報道は、インターネット上の匿名掲示板やSNSで広まったもので、「東京都府中市」という単語の中に、確かに「京都府」（東京都府中市）と読める文字が連続して並んでいることが、長年にわたる誤解の原因と見られています。また、一部のユーザーからは、「東京の人はみんな『府中』を『ふちゅう』（アクセントが「ふ」）と読むが、京都在住の人には『ふちゅう』（アクセントが「ちゅう」、京都府の中という意）にしか聞こえず、結果的に意味の誤解を招いている」という指摘も上がっています。
「ふちゅう」と「ふ」をめぐる攻防
記者会見では、府中市長が「府中市と京都府が、漢字一文字だけで結びつけられるなんて、言語道断」と述べ、両者の関係性を明確に否定しました。さらに、市長は「府中市は、平安時代から続く由緒ある土地であり、その歴史は東京の歴史そのものだ。京都府との関係は、歴史的にも文化的にも一切ない」と強調しました。
一方で、京都府知事は「府中市がそのようなご懸念をお持ちとは存じませんでした。府中で『ふ』がつく漢字は、ほかにもたくさんあります。例えば、『富士山』の『ふ』などです」と冷静にコメント。これに対し、府中市民からは「ふ」がつく単語の例が「富士山」だったことについて、「東京を代表する山を例に出すなんて、やはり京都府は府中を自らの領土だと考えているのでは」という、新たな憶測を呼んでいます。
市民も怒り心頭「私たちは東京です」
今回の騒動を受け、府中市民からも怒りの声が上がっています。
「京都なんて行ったこともない。私たちのアイデンティティは、競馬とJリーグと大國魂神社です。京都は関係ない」（50代男性）
「府中街道はあっても、京都街道はない。それだけのことです。京都を語るなら、京王線ではなく、新幹線に乗って行くべきでしょう」（40代女性）
府中市は今後、公式ホームページで「府中市は東京都です」と明記し、同様の誤解を招かないように啓発活動を強化する方針です。
