バナナの叩き売りに参入、売り上げが本業を上回る異例事態
【名古屋】プロ野球・中日ドラゴンズが、前年度（2024年度）から開始した「バナナの叩き売り」事業で空前の大ヒットを記録していることが分かった。球団は集客と収益多角化の一環として、ナゴヤドーム（現：バンテリンドーム ナゴヤ）の場外に特設の模擬市場を開設。試合開催日限定で、選手が練習着のまま「いよーっ！」の掛け声とともにバナナを売りさばくイベントを実施した。
マルティネスの「ラテンリズム叩き売り」が爆発的人気
この叩き売りイベントは、「野球より面白い」と連日大盛況。中でも、守護神のライデル・マルティネス投手が独特のラテンのリズムを刻みながらバナナを叩き売るパフォーマンスは圧巻で、SNSでは「＃マルちゃんバナナ」として瞬く間に拡散された。惜しくもマルティネスは2025年に巨人軍に移籍したが、このバナナ売り事業は2025年も好調となった。
地元経済紙の試算によると、2024年の実績ではマルティネス選手が売るバナナを目当てに来場するファンが急増した結果、叩き売り市場の開始3週間で、中日の春季キャンプ地・沖縄県北谷町で獲れるバナナの年間消費量を上回る量を売り上げたという。あまりの盛況ぶりに、球場周辺には「一本でも安いよ！」と叫びながらバナナを買い求める人々の長蛇の列ができ、入場規制がかかるほどとなっている。2025年も引き続き好調となった
バナナ部門の売り上げが野球部門を上回る
球団関係者によると、このバナナ叩き売り事業の今月の売り上げが、チケット収入を含む野球事業全体のそれを上回るという、プロ野球界では前代未聞の事態に発展した。
球団内部では「本業が何かわからない」という困惑の声が上がる一方で、この異例の事態を好機と捉える動きも出ている。広報部では、球団マスコットのドアラに、バナナの皮を被せた新コスチューム「バナドアラ」を開発。さらに、球団歌『燃えよドラゴンズ！』の歌詞を「バナナを打ち砕け！」などとバナナ仕様に改変する案も浮上している。
立浪監督、「一本売り」の特訓を沖縄キャンプに導入決定
これを受け、球団は2024年に沖縄キャンプ中にバナナの「一本売り」の特訓を導入することを決定した。
立浪和義監督（当時55）は、練習後の囲み取材で、「バナナ一本にも、チームプレーの精神が宿る。一本一本を大事に叩き売ることで、野球にも相乗効果があるはず」と力説。特に、打撃不振に陥っている若手選手に対し、「バナナを最高のタイミングで、最高の口上とともに売りさばく集中力を打席にも活かせ」と激励した。
さらに、球団は収益の柱となったバナナ事業への本気度を示すため、ナゴヤドームの名称を正式に「ドラゴンズ・バナナ・スタジアム」に改称することも視野に入れているという。
この動きに対し、一部のファンからは、「勝てないならバナナを売れ」「もう中日バナナズでいい」といった声も上がっており、ドラゴンズの活動の主軸が完全に「野球」から「バナナ」へとシフトする可能性が高まっている。
