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14日午後、東京都渋谷区のスイーツカフェ「サトウ・スレイヤー」で、来店した20代とみられる女性客が、人気アニメさながらの「呼吸」と「型」を大声で叫びながら、限定メニューの「無限フルーツタワーパフェ」を完食するという事案が発生した。店内にいた客や店員は、そのあまりに正確なタイミングと気迫に、恐怖と感動の入り混じった視線を送った。
目撃者によると、女性は入店直後から「全集中・糖分の呼吸」とつぶやき、座席で深く深呼吸を繰り返していたという。パフェが運ばれてくると、女性はカバンからスマートフォンを取り出し、「壱ノ型・映(ば)え撮り・連写」と叫びながら、凄まじい速度でシャッターを切った。
撮影を終えると、女性はスプーンを逆手に持ち替え、戦闘態勢に入った。
「弐ノ型・生クリーム掬(すく)い!」
鋭い掛け声と共に、トップに乗せられた生クリームを一口で平らげると、続けて「参ノ型・苺落とし」「肆ノ型・スポンジ穿(うが)ち」と、食材が変わるたびに技名を叫び、的確にパフェを攻略していった。
店内に緊張が走ったのは、パフェの中層にあるコーンフレークの層に差し掛かった時だ。口の中の水分を奪われる難所として知られるが、女性は水を一口含み、「伍ノ型・干天の慈雨(かんてんのじう)・水飲み」と静かに唱え、優雅に咀嚼(そしゃく)を完了させた。
居合わせた男性客(24)は取材に対し、「最初は不審者かと思ったが、スプーンの軌道が美しすぎて見入ってしまった。特に最後のアイスが溶ける直前に放った『奥義・煉乳(れんにゅう)杏仁・乱れ食い』は、もはや芸術だった」と興奮気味に語った。
約15分で高さ30センチのパフェを完食した女性は、最後に「終ノ型・会計・電子決済」と言い残し、無言でスマホをリーダーにかざして店を去ったという。
同店の店長は「うちは基本的に静かに楽しんでいただく店だが、あれだけ綺麗に食べていただけるなら柱(はしら)として認定したい」とコメントしている。

