【横浜発】穏やかな気候に恵まれ、観光客で賑わう横浜市内で、奇妙な異変が報告されている。市内の公園や住宅地を中心に、特定外来種と見られる「特大オニダンゴムシ」が急増しており、人への噛みつき被害が相次いでいることが判明した。
目撃者によると、通常のダンゴムシの数倍にもなる体長5cmほどの巨大な個体で、黒光りした甲殻と鋭い顎が特徴だという。神奈川県自然環境保全開発課の調査員は「一般的なダンゴムシは腐葉土などを食べる無害な存在ですが、この特大オニダンゴムシは肉食性が強く、昆虫や小型動物を捕食している可能性がある」と警告している。
市内の小児科には、足や腕を噛まれたと訴える子どもたちが多数来院しており、中には腫れ上がって高熱を出した例も報告されている。被害に遭った港北区の主婦(40代)は「まさかダンゴムシに噛まれるなんて。洗濯物を取り込もうとしたら、カサカサと音を立てて近づいてきて、ゾッとしました」と恐怖を語った。
市は市民に対し、外出時には長袖・長ズボンを着用し、庭の手入れをする際は手袋をはめるなど、厳重な注意を呼びかけている。また、オニダンゴムシの目撃情報が相次いでいることについて、専門家は「近年の温暖化により生態系が変化し、本来日本にはいないはずの種が持ち込まれた可能性が高い」と指摘している。
横浜市は近く、オニダンゴムシの駆除と生態調査のため、専門の対策チームを発足させる予定だ。しかし、その獰猛な性質から捕獲は難航が予想されており、市民の不安は増すばかりだ。