2025年8月29日、SNS企業「バイナリー・ハーツ社」は、同社が運営する短尺動画プラットフォーム「ループ」において、ユーザーが投稿したアンチコメントを自動的に読み上げ、投稿者の自宅に直接電話をかける新サービス「声に出して伝えるアンチコメント朗読サービス」を、4月1日より試験サービスを拡大のうえで9月1日から開始すると発表しました。
このサービスは、「ループ」のコメント欄に書き込まれたアンチコメントをAIが自動検出し、最も辛辣な内容を抽出。それを合成音声ではなく、投稿者の肉声に近いAIボイスに変換し、ターゲットとなったユーザーの登録電話番号に自動で架電する仕組みです。
これにより、コメント投稿者は自分の発言が誰かの心を傷つけたという事実を、直接的に「声」として体験することになります。
バイナリー・ハーツ社の広報担当者は、「文字だけでは伝わらない『言葉の重み』を感じてほしい」と語っており、これによりコメント欄の健全化を目指すとしています。
試験サービス導入後の反響
試験サービス開始後、「ループ」には「さっき自分の書いたコメントが電話でかかってきた」「まさか本当に電話が来るとは思わなかった」といった驚きの声が多数寄せられました。
特に、「そのダンス、鳥肌が立ちました(良い意味で)」とコメントしたユーザーの自宅には、5分間にわたってそのセリフが繰り返し朗読され続けるという事案も発生。
このユーザーは「鳥肌が立ったのは事実だけど、電話で聞くと怖すぎる」とSNSに投稿しています。
技術的な課題
しかし、このサービスには技術的な課題も指摘されています。
匿名性の高いSNSの特性上、電話番号を登録していないユーザーには対応できず、サービス対象外となっています。
また、AIが皮肉を正確に読み取るのが難しく、「あなたの動画のおかげで、1日中吐き気が止まりませんでした(面白すぎて)」というコメントに対して、AIが深刻な病状と誤認し、救急車が呼ばれかける事態も発生しました。
バイナリー・ハーツ社は、これらの問題点を踏まえ、今後のAIの精度向上に努めるとしています。