【東村山】 2025年8月、東村山市はかつての通信手段であるポケットベル（通称：ポケベル）の原型ができあがった場所としての聖地で、この文化を若い世代に伝えるべく、「東村山ポケベル復活祭」を開催し、大きな話題を呼んでいる。しかし、携帯電話やSNSに慣れ親しんだ若者たちは、複雑な数字の羅列に悪戦苦闘し、会場は混乱に陥っている。
「愛してる」を示す「416510」や「マジ」を表す「642」といった数字の語呂合わせを、来場者は必死に読み解こうとするが、スマートフォンを操作するようにはいかない。
参加した大学2年生の佐藤さん（20）は、「『8810（ハヤク来テ）』と送られてきたけど、入力するのに5分もかかってしまって。結局、友だちに『遅い！』とLINEで怒られました」と肩を落とした。
イベントの企画担当者は、「ポケベルの不便さが、かえって人とのコミュニケーションをより深くする」と語る。しかし、会場のあちこちからは「これ、どうやって打つんですか！」「もう無理！」といった悲鳴が聞こえ、多くの若者がポケベルを投げ出してポケモンGOを始める姿も見られた。
一部では、ポケベルの数字暗号をSNSのプロフィール欄に記載する「ポケベル映え」が流行する兆しを見せているものの、東村山市の試みが若者に定着するかは不透明な状況だ。
