【東京】インターネットを主戦場とする新興保険会社「サギネット生命」が、顧客からのクレームに苦慮している。被保険者が死亡した場合、遺族が保険金を受け取るのが通常だが、同社は「契約者ご本人様による解約手続きが完了しない限り、保険契約は有効です」という規約を盾に、死亡した本人の手続きがないことを理由に保険解約を拒否。SNSを中心に「いくらなんでもひどすぎる」と炎上している。
同社の規約では、保険契約の解約は契約者本人が専用のアプリを通じて行い、指紋認証と顔認証を組み合わせた生体認証で本人確認を行うことが必須とされている。ある遺族は、亡くなった父のスマートフォンを使い、生体認証を突破しようと試みたが、顔認証が「ご本人様と一致しません」と表示され、手続きが中断。カスタマーセンターに問い合わせたところ、「契約者ご本人様の顔認証が必須となっておりますので、解約はできません」とマニュアル通りの返答が繰り返されたという。
専門家は「利便性を追求しすぎた結果、想定外の事態に対応できない典型例」と指摘。サギネット生命は「ご遺族に代わる手続き方法を現在検討中」としているが、具体的な対応策は示されておらず、事態の収拾には時間がかかりそうだ。